【100→200へ改正あり】用途変更とは? 一級建築士がわかりやすく解説

2019年6月25日に改正建築基準法が全面施行されます。
※国土交通省HP

よって、この記事の中の100㎡は200㎡に変更されました。

こんにちは。恵比寿不動産 一級建築士の石井です。

用途変更ってあまりなじみがない言葉だと思います。

不動産屋でもなにそれって方も結構います。
建築士でも苦手とする人多いです。

既存の建物を活用するとき、このことを知らないと損をすることがあります。

また、違反すると所有者(オーナーさん)も罰されてしまうことがあります。

近年、既存の建物が増えています。
これらをきちんと活用していくうえで
避けて通れない内容なので
まとめておきたいと思います。

・用途変更について知りたい人
・既存の建物をきちんと活用したい人
・テナントを借りるときに損したくない人

用途変更とは?

建築物を建てたときに申請した用途を後で違う用途に変更することです。

例えば、建築当時「事務所」だったものを後で「飲食店」などにして利用することです。

建築基準法では、法第87条に記載されています。

建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合において、確認申請をしなければなりません。

ちなみに、第6条第1項第一号の特殊建築物とは以下のいずれかに該当し、かつ、その用途の部分の床面積が100㎡200㎡を超えるものです。

(1)劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など
(2)病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など
(3)学校、体育館など
(4)百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場など
(5)倉庫
(6)自動車車庫、自動車修理工場など

つまり、
上記の用途に変更し、
その部分の床面積が100㎡200㎡を超える場合は、
確認申請をしなければなりません。

(※2019年6月くらいに法改正により100㎡→200㎡に変わる予定です。)

【※2019年6月25日から改正建築基準法が施行されます。
よって100㎡→200㎡になりました。】

用途変更の申請が不要な場合は?

用途変更の部分が100㎡200㎡を超えれば必要なので、言い換えれば、100㎡200㎡を超えなければ確認申請は不要ということになります。

また、除外規定が建築基準法施行令第137条の18に規定されています。

次の各号のいずれかの揚げる用途である場合において、それぞれ当該各号に揚げる他の用途とする。
一 劇場、映画館、演芸場
二 公会堂、集会場
三 診療所(患者の収容施設があるものの限る)、児童福祉施設等
四 ホテル、旅館
五 下宿、寄宿舎
六 博物館、美術館、図書館
七 体育館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場
八 百貨店、マーケット、その他の物品販売業を営む店舗
九 キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー
十 待合、料理店
十一映画スタジオ、テレビスタジオ

簡単にいうと、同じ数字(号)のところに記載されている用途変更ならば100㎡200㎡を超えていても確認申請が不要ということです。ちなみにこれを類似の用途といいます。

 

注意したいことは?

①用途変更部分が100㎡→200㎡を超えなければ用途変更の申請がいらないから良かったで終わってはいけません。

あくまで用途変更の確認申請が不要なだけで、建築基準法への適合はしなければなりません。

ここが勘違いしやすいところです。申請不要→法適合は不要という考えは間違えです。

申請不要だけど法適合はしなければなりません。

②テナントを借りてから用途変更すればいいやと考えてはだめ。

用途変更がしたくても難しいこと多々あります。
たとえば、現状1つの階段しかないのに、変更したい用途では2つの階段を設置しなければならないとなることがあります。
もうこうなったらお手上げです。
借りる前には十分な調査が必要です。

最後に

既存建築物を活用するうえで用途変更はますます重要になってきています。

特に福祉施設は法適合が重要視されます。
法適合していなければ助成金がもらえなかったりするそうです。

特殊な用途で建築物を利用する方は注意しましょう!

用途変更のご相談もお気軽どうぞ!

最新情報をチェックしよう!